京都を訪れると、赤と黄色の看板でお馴染みのファーストフード店が地味な外観に変わっています。白と水色が馴染みのコンビニも、白と黒の地味な店構えになっています。
これはいったいどういう事なのでしょうか。
京都では、市を21の地域に分けて、地域ごとに看板の大きさや色などを事細かに規制しています。その店ばかりが目立つことのないように、景観にマッチした落ち着きのあるものにという規制です。点滅式の照明やビルから道路に突き出している宣伝物などは全てダメになりました。
観光客からの評判は、見晴らしがよくなった京都らしいなど、好印象です。しかし、いくつかの問題もあります。
屋外の看板がダメなら屋内に掲げようと、裏技に出る店も出現しました。また、規制に合わない物は店側が自腹で撤去し、新しい物を自腹で掲げないといけません。その費用が捻出できず、いまだに撤去できていない店もあります。

シンボルの色がないと、お店が見つけにくい

街の景観を重視した規制は、観光客には評判も良いようです。しかし若者の中には、いつもの店が見つけにくい、という声もあります。
いつも利用しているファーストフード店を探す時、多くの人はそのお店のシンボルともなっている色で探すでしょう。赤と黄色の外観のお店はないかな、と探しているのではないでしょうか。
しかし、いつもは赤と黄色の外観のお店が、白と黒になっていたら、遠くからは気がつきにくいでしょう。近くまで行って「あっ、こんなところにあった。いつもと雰囲気が違うなあ。あっ、色が違うのか」などと気づくでしょう。
点滅する照明も使えなくなったため、夜は一層いつもの店が探しづらくなったという苦情も出ているようです。照明が点滅していないから、休業日かと思った、という声もあります。

50年以上野放し状態だったくせに

実は、このような条例は昭和31年から存在していました。しかし、見て見ぬふりをし続け、条例は単なる絵に描いた餅でしかありませんでした。50年以上も条例を野放し状態にしていました。
それを2007年に、改めて条例を見直し、規制を強化しました。そして7年間の猶予期間を設けて、2014年9月1日より、新たな規制がスタートしました。
大手のチェーン店のような店は撤去費用や新たに掲げる費用も大きな負担にはならないでしょう。しかし、個人で営業しているような店は、数百万円もの費用をどうやって捻出すればいいのでしょうか。
50年以上も放置していたものを7年間だけの準備期間で、何とかしろというのは少々酷だというのが、まだ撤去していない店側の言い分のようです。
外観を美しく見せることにはメリットもありますが、デメリットもあるようです。